disc 001 「居ても居なくても、こんなにも姫の事が気になるのは何故だろう」
シスター。
それが“彼女”の名前だ。
彼女は気まぐれで、わがままな姫だ。
別名、“おてんば姫”。
誰も姫のすること、言うことは予測できない。
だから今日も、まさかこんなことを言い出すなんて思いもしなかった。
「私は、自分を1から育ててみたいんだよ」
姫は星空を背に、そんなことを言った。
「……は?」
「だから、『 』。私の代わりに頑張ってくれたまえ!」
こうも言った。
「いやだから、何を――」
「……最近は退屈だからね。――じゃ、頼んだよ!」
姫は会話(?)を強引に切り上げ、手を振りながら逃げるように去って行った。
って。
「人の話は最後まで聞け、シスター! くそっ、何する気だよ……っ!」
――なんでこんなにも姫は気まぐれなんだろう。
この間までは、“これ”に対して何一つ興味を示さなかったというのに。
……でも、これは姫にとって初めての外出だ。
しかも、やっと出て行ってくれたことに感謝するべき所だよな、これは! 思いっきり楽しんでやろうじゃないか!!
……しかし姫は今回、一体何をしでかしてくれるのだろうか。