「由香さんが病気なのは知ってる、というか、あいつから直接聞いた…。そもそも、しようって言ったのは由香さんからだった。」
すると、クラスの女子が、「それでも止めるべきだよ。」
と反論した。
有馬は、
「そうだ。止めるべきのつもりでいたよ。そうするつもりで、俺は由香さんのところへ行った。でも由香さんは、俺が好きって言うんだ。」
「…。」
みんなが静まり返る。
「子宮がんの治療をせず死ぬのを覚悟した理由は、ずっと女でいたかったから…って言ってた、だから俺にしようと言ったんだ。最後のHになるかもしれない…って言いながらも、由香さんは嬉しそうだった。…それが、彼女の生き方なんだって、俺は感じた。」
するとようやく、クラスの女子が、
「由香の生き方…わかると思う。有馬くんも、由香を笑顔にさせたんだと思う。」
クラスの男子も、
「それで…お前自身は由香ちゃんのこと…どう思うんだ?」
「好きだ。」
有馬ははっきりと伝えた。すると女子が、
「でも、昨日メールで聞いたんだけど、由香あと少ししか生きられない…って。」
「儚い恋になることは分かってるよ。でも想いはちゃんと由香に届けたい。」
これが、有馬なりの有馬による、有馬の決意。