由香の病室。
「俺…皆の前で全部言っちゃった…Hのこと。知れ渡ってたみたいで…。」
「そうなんだ。まあトイレだしね。知れ渡っちゃっても仕方ないか。で、どう?反応は?」
「まぁ、納得してくれた。最初は責められたけどね。」
「そうなんだ…。」
すると由香はそっと、ベッドから手を伸ばして、有馬の手を掴んだ。
由香の弱々しい手が、有馬の手を握ってくる。
「ねぇ…有馬が来たとき、こうしてずっと握ってていい?」
一言一言が、今したいことだと思うと、有馬も断れなかった。
「うん。」
でも、その手は少し冷たかった。
「あったかい…有馬の手。あの時も温かかった。」
「…由香の手を、一生懸命あたためてやる。」
有馬は、由香の手を自分のほっぺによせる。
有馬のほっぺは炎属性だ。触るとほんのり温かい。
詳しくは、原作のほっぺキングダムで。
「一足早く…春が来たような暖かさ、何でこんなにあったかいの?」
有馬は、
「それは秘密」
と答えた。