伸「…なぁ秋ちゃん」
帰り道、秋奈は伸昭の少し前を黙ったまま歩いていた
秋「…ノブ君、家帰んなくていいん?ちぃちゃんおいて来ちゃったんでしょ?」
伸「ワン家に戻ったって。だから俺も行くわ。…それより、秋ちゃ、」
秋「今日うちがご飯作るんやった。晩御飯、何がいいかな」
伸「…俺はハンバーグがいい」
秋「適当に答えんといて」
伸「適当じゃないよ。俺は秋ちゃんのハンバーグが好きなのー」
秋「…あっそ」
伸「…それより、秋ちゃん、いい加減答えてや」
秋「…何」
伸「さっきのほんまー?」
秋「…さっきの?」
伸「俺の彼女になります宣言。」
秋「…」
秋奈は振り返りもせずひたすら足を進めた
伸「おーい」
秋「…」
伸「秋奈さーん」
秋「…」
伸「…」
秋「…」
伸「…俺は好きだよ。秋ちゃんのこと」
その言葉に突然秋奈の足がとまる。そして遠慮がちに伸昭の方に向いた
秋「…その“好き”は他の女の子と一緒?それとも…それとは違う?」
伸「どっちやと思う?」
秋「…わかんない。…でも、特別だったらいいなって思う」
伸「…特別だよ。他の奴とは違う。たとえ、俺の周りにどんなに女がいても俺は秋ちゃんが好きだ。」