そして、また目を瞑った。あれが、有馬に見せた最後の笑顔。
あれが、有馬を頼った最後の手。
由香は満足そうに、天国へ逝った。
『これが、最後のHかもしれない…。』
『有馬が居たら、死ぬのが怖くなくなる…。』
由香の言葉が、頭の中を巡り巡る。
「由香…。」
有馬は、ナースコールを押し、由香の死を伝えた。
あれからすぐに親が来ると、有馬は病室を出た。
親の泣き崩れる声が聞こえる。
でもこれが、由香の生き方だったんだ。
あれから俺は、桜を見るたびに、由香に呼び掛ける。「ねぇ…後悔してない?」って。
由香は、俺と一緒に満開の桜が見られなかった。
俺は、正直…後悔してる!って。
桜の木に呟く。
すると、風にゆれて、桜が答えてくれるんだ。
私は空から桜を見下ろしているんだ。凄い綺麗だよ。有馬のすぐそばでって。
由香は、俺のすぐ近くにいる。
由香と俺の恋は、Hから始まった下品な始まり方だったけど、とても充実してたよ。
ありがとう。
俺は少し、成長できたかな?
エピソード2へ。
エピソード2は、しのたくメインの恋物語、題名は
『憧れのしのたく』
です、ぜひ御覧ください。
るー6