「あ…あの…何か?」
しのたくは勇気を出して話し掛けた。すると、1人の女子がいた。
「あ、君は…木村明日香さん。」
「あの…数学、教えてもらえませんか?」
木村明日香。クラスでは萌え系女子。声もアニメのキャラクターのような可愛らしい声で、AKBで例えれば、「まゆゆ」だ。
「…え?」
「私ずっと、篠原くんに勉強教えてもらいたくって、どうしたら学校以外で教えてもらえるかなって思ったら、やっぱりここでいつも勉強してたんですね。」
「…うん、とりあえず、分からない所は?」
「ここ、関数の所…。」
これは、「恋」ではなく、単なる「憧れ」だ。
しのたくはまた、そう思ってしまった。