『いやぁ〜。超楽しい!』
「うん。それなら良かった。」
食事の時間は、会話がメイン。何を話そうかカズヒロは悩んでいた。すると、
『ねぇねぇ。』
アキに呼ばれたカズヒロ。「ん?」
『何であの時、カズヒロは泣いてたの?』
「えっ…。」
それだけは…。と思っていたのに。
『ごめん。こんな話、したくないって思ってたけど、泣いてたカズヒロが頭から離れなくて…。』
「い…いや…俺は大丈夫だから。」
『タクヤ先輩に、なんて言われたの?』
カズヒロは言うのを躊躇っている。
『私が傷つくようなこと…言われたの?』
アキはどんどん核心に迫っていく。
「…そうだよ。」
カズヒロはついに口を開いた。
「アキはあいつにとって…ただのおもちゃでしかないんだ…って言われた。」
『うそ…』
「俺に対しても、あいつはアキの彼氏を装った。」
『あとは…?』
「耳が聞こえない女は最高。」
封印しようと思っていた過去を伝えるのは、カズヒロには苦しい行動だった。
するとアキは、
『私実はこないだタクヤ先輩に告白されて…。』
「え?」
カズヒロは驚く他なかった。
『もちろん断ったけど…』
カズヒロはアキの目を見て言った。
「アキは騙されかけたんだ。あんなヤツに…くそっ…俺がしっかりしていなかったから…。」
カズヒロの悔しさ。これは、想像以上だったのかも知れない。
アキは、すべての真実を知った。