春の暖かい日差しがさしてくる。
俺、真崎光流(まさき ひかる)は、今日から高校二年生。
何事も平凡に生きていた俺だったが─
それは、あの日が訪れるまでだった。
「光流〜おはよっ♪」
「おはよ。」
後ろから現れたのは、
中学生のころから一緒だった、
歌西 羽美(かさい みう)。
髪は肩より少し長めのストレートヘアー。スラっとした足。容姿も良く、勉強もでき、おまけに性格もいい。たまにいるよなー。何でも完璧な奴。
「お前何でそんなに機嫌いいんだよ。」
「私たちまた同じクラスだったんだよッ!!…べ、別に嬉しくないからね…!」
「おいおい。まだ何も言ってねぇーよ。」
そして素直じゃない。
そう話しながら教室に入ると、ある女の子が走ってこちらへ向かってくる。
「みうんっ、ひかるんっ。今年も一緒のクラスだねっ!」
そう言ってきたのは、西行 可憐(さいぎょう かれん)だ。
小柄で、少しだけ上でツインテールにくくっている。小学生と言ってもバレないくらいだ。
「みうん、ひかるんと一緒のクラスになれて良かったね〜」
口元をにまぁ〜としながら言った。
「ななな何言ってんの!?別にこいつと一緒になったからって何も嬉しいことなんか無いわよッ!」「そうそう。別にこいつと一緒になっても、たいして変わんねーよ。」
そうやってまともに答えたら、悲しそうに「そう…だよね…」と苦笑いをした。
チャイムがなり席に着くと先生が泣きながら話した。
「知ってる人も居るかもしれないが聞いてくれ。花原 幽が…このあいだの土曜日に…亡くなったそうだ─」
花原幽って…一年の時同じクラスだったけ?なんか、教室のすみで一人でいた子だよな…。俺は一人でそう考えると、黒板の方から何かが見えた。最初はうっすらだったがよく見えた。それは間違いなく、花原 幽の姿だった─