ヒロはドアの側に行ってドアを開けようとした。
「鍵、かけられた…。」
「えっ!?どうするの!?」
ヒロは冷静に言った。
「開くまでまつか…。」
「うん…。」
…。沈黙が続く。
「…ゴメン。」
ヒロは由利亜に背を向けながら言った。
「どうして?」
「なんか…ゴメン。俺さ、全然駄目だよね…。彼氏として…俺じゃ嫌でしょ?」
ヒロの声がだんだんと不安げになっていく。
「嫌じゃない!さっきだって、バスケの時かっこよかった!私は…長野くんがいいの!」
由利亜ははっきりと言った。
「ありがと…。」
ヒロは顔が赤くなった。
なんで、女子ってはっきり言えるんだろう?
「俺さ…小林さんといると、全然…目が合わせられないんだ。」
「私も…。長野くんと居るとドキドキする。」
「だから、俺…上手く喋れないけど、嫌いにならないで。」
「ならないよ!」
ヒロは少し安心した。
由利亜はにっこっと笑った。
「さてと、脱出しよう!」
ヒロが突然言った。
「え?」
由利亜はビックリした。
「どうせ、クラスの奴ら俺達がやらしい事をするのを期待してるから。さっさとここを出よう!」
「でもっ二階だよ!?」
バスケは体育館の二階でやっていたのだ。
「あの窓から。」
ヒロは窓を指差した。
由利亜とヒロは跳び箱に登って、窓を開けた。
ヒロは窓の外を見た。
「下が芝生だから大丈夫だな!」
由利亜は怖くなってきた。
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