◎私は、日頃から趣味で文章を書いている者です。書いてはいても、周りの親しい人にしか、感想が戴けません。親しい人は、皆さん優しいので、褒めて下さいます。それは嬉しい事です。でも、自分はもっと文章を上手く書きたいので、皆さんの率直な感想が戴きたく、投稿させて頂きました。よろしくお願い致しますm(_ _)m
第一章
月が無かった。
私がその時見上げた空には、月が無かった。とても寂しい空だった。
視線を目の前に戻すと、彼はまだ見上げたままだった。そして、ゆっくりと私の方に顔を向けた。その動きは本当に、スローモーションのようで。
そして彼はこう言った。
「真っ暗な夜って、初めてだ。」
私に向かって微笑みながら、こう言った。
その柔らかで、消え入りそうな微笑みが、恐らくあの頃の私の総てだった。