ラブほっぺ 16 〜エピソード2、憧れのしのたく、第5話〜

るー6 2011-04-06投稿
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しのたくの言葉は、明日香の心に染み渡っていった。「教えて。」
「お母さんが…死んじゃったんです。」
「えっ…?」
そういえば昨日、明日香は、
『お母さんの手料理食べたくて帰るんです。』
と言うほど、お母さんっ子だったんだろう。
「私、どう生きていけばいいか分からない。」
「1人に…なっちゃう?」
しのたくの質問に、明日香は涙ながらに頷いた。
頷く姿を見て、しのたくは明日香を抱きしめた。
「俺の親は、俺の面倒は家政婦に任せて、同じ家に暮らしてるのに、話すことも、会うこともないんだ…。」
「…どういう…事ですか?」
「だから俺も、ひとりぼっち。」
「…そうなんですか…。」
明日香はしのたくの胸に顔を埋めた。
「ひとりぼっち同士が繋がると、ふたりになる。ふたりになると、支え合ったり、助け合ったりすることが出来る。明日香さんは、俺の存在に、まず気付いてほしい。俺を頼ってほしい。あんなこと言って…ごめん。」
「篠原くん…。」
明日香は純粋な笑みを浮かべた。
「ありがとう…。」
「学校でも、恥ずかしがらずに俺を頼って。勉強のことでも、これからのことでも。」
明日香はうれしい反面、しのたくが「友達」という型にはまってしまう思いがした。
好きなのに…、友達で終わってしまうなんて…。
「じゃ、俺はこれで。」
「篠原くん!」
明日香はしのたくを呼んだ。



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