ホー・・・と、フクロウが鳴いた気がした
純弥はカーテンごしに外を見る。うっすらと月の光が映っていた。
「来た・・・・」
重い体を引きずりながら窓を開けた。
バサバサ・・・
『ホー・・・ホー・・・』
灰色のこのはずくが窓辺にとまった。
「やぁ・・・久しぶり、ゲホッ・・・?フウ?・・・今日は何しに、来たん、だい?」
フウと呼ばれたフクロウは羽をばたつかせて必死に足をこっちに向けている。立っているのが辛くなったので床に座り、フウを招き入れた。
「・・・父さんから、かい?」
『ホー』
返事を返すかのようにフウは鳴いた。
フウの足についていたのは小さな手紙だった。
「しご・・・と、かなぁ・・・・?」
封を開けると予想通りに仕事の内容がかかれた手紙が入っていた。
(勘弁してほしい、よ・・・)
そう思いながらも手紙に目を通す。
『 華水 純弥へ
フウが無事到着したららしいな そんなことはさておき お前に仕事だ
日本でも私を殺そうとしている者がいるらしいのだ そいつらを始末してほ しい 名前は 青葉という団体だ いいな 三日以内だ 私は四日待つ 四日 たってもフウが戻ってこない場合は 分かっているな 』
たったそれだけの文章だった。
「無理言わないで、よ・・・・ゲホッゲホ」
前に一度だけ父親の仕事を断ったら酷い目にあった。思い出したくもない・・・『ホー・・・』
フウは純弥の方に体をすり寄せてくる。
「リクには・・・見せらんないな・・・・」
自分が 二度目の 恋心を いだいた人に あんな姿は 見せられない