俺は、理解不能だった。
あのメガネのデカ女が…この魅惑なモデルだなんて…。
「まさか。冗談でしょ?」
俺は、真実を知りたくその社員に尋ねた。
「ちょっと、良いもの見せてあげる」
その社員は、ある一室に案内した。
書庫から、何冊かの写真集やパネル、雑誌をだしてきた。
「あなた、モデルになるんなら、いい勉強になるわよ!」
「いや…。まだ…決めては…」
俺の言葉なんて耳に入ってないらしく、話し続けた。
「驚くわよ!全部あのRIONAなのよ。彼女は、女優というか 人格まで変えてしまったのではないかというくらい。(トゥルルルル〜)」
「あっ 呼び出し。ゆっくり見ていって。そのままでいいから」
そういうと俺をおいて小走りに戻っていった。
その写真に写っているのが、全部同一人物??
なっなんなんだ!
よくわからないけど、鳥肌がたち…。
自然にどの女が好みか?探していた。
(全部あのデカ女)
なんで、辞めたのか??知りたくなったと同時にモデルなんて…無理だと確信した。
1週間後 断るために事務所を尋ねた。
「秦くん!!ちょっちょっと、車!!」
無理矢理社長の車に乗せられた。
「俺、断ろうと思って…。」
「とりあえず、今日やってみてから判断しても良いんじゃない?」
(やってみて…?)
また、突然のバイトか?
そこは、この前よりも大きくキレイで、いかにも売れっ子しか行かなさそうなスタジオだった。
またもや、衣装を着せられ、髪の毛をいじられスタジオに連れていかれた。
そこには、外人の女モデルがいた。
「秦くん!あのモデルと一緒に撮るわよ!
いい?!今からあのモデルはあなたに一目惚れした女。隣に行ったら、あなたは、少しだけ気がありそうにしながらも凛とした表情でカメラを見なさい!」
「わかった?!自分に言い聞かせて!」
俺は、暗示にかけられたように社長の言葉を繰返し頭にいれた。
どうにでもなれ!!
緊張はしなかった。
撮影は、ものの30分で終わった。
パソコンの画面をみて社長は、男勝りのガッツポーズをした。
社長が俺を呼んだ。
そこには、今撮影したばかりの写真が…
「これが…オレ?」
「そうよ。やっと、RIONAと…。ひけをとらないわ。いや、RIONA より…。」
ブツブツ言っていた。
しかし、RIONA の名前は、俺にも聞こえた。
デカ女とオレ?
その時、デカ女が来た。