3月下旬。桜が少しずつ咲き始める頃がやってきた。
あれから、あのケンカから1ヵ月。おかたくと美穂は病院へ行き、美穂のお腹の中にいる胎児を中絶することを決めた。
翔は、あれから学校に来ていない。そのまま、春休みに入った。
「ねぇ、おかたく…。」
「何?」
「ありがとう。それと…ごめん。」
美穂らしく、なった。
これが、おかたくの好きな美穂の姿。
「いいんだ…でも翔のやつ、酷すぎる。」
「やっぱり、私が一番好きなのは、おかたくなんだよ。私は、おかたくと恋をするべきなんだよ。」
「桜の花が舞う頃、もう1度デートしたいな。」
おかたくのほっぺが光りだす。
あっ、光属性だから、です。詳しくは原作のほっぺキングダムで。
美穂は、小さく頷いた。その時、
桜の木の向こうから、歩いてくる人がいた。
「翔…?」
おかたくは、確信した。