おにいちゃん、これおしえて?

misato 2011-04-23投稿
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Part three # 再会 #


「ねえ初音、何でそんなに嬉しそうなの?」

わたしが机に肘をついていると、突然視界に親友ね奉咲明花の顔が映り込んだ。

「そう見えるぅ〜??」

語尾を波打たせて応える。

嬉しそうなのは当たり前。だって、四つ葉のクローバーの約束の男の子に、再会できたんだからっ!

すると明花がじっとわたしの顔を見つめてくる。何かな?

「……失礼なのは承知でいうけど、きもいよ」

明花が若干引き気味でいう。

うん、凄く失礼な言葉をどうもありがとう。

それとも、明花からしたら褒め言葉なのかな?

「……あはは、明花の顔も負けてないよ〜」

満面の笑みで返す。

お互いに褒め合う、礼儀の基本だね!

その褒め言葉を聞いた明花は、

「最低最悪」

そういって、自分の席へと戻っていった。

――あれ?何か間違えた??

そう疑問を持ち、考える前に、またまた視界に一人の人物が映り込んだ。

「颯天くん……」

今度は颯天くん。どうかしたのかな??

「霜月……、昨日の話だけど」

妙に深刻そうな表情(カオ)。昨日の話?はて、何の事やら。

「俺が前ここに住んでたの、何で知ってるんだ??」

それか!

どうしよう、やっぱ変だったよね。聞いたのが間違いだった……。

「えっとぉ……」

わたしがもたもたしていると、颯天くんはどんどんわたしに責めよってくる。

それを後退りして交わすしか、わたしには道がない。

「しかも10年前って、具体的に」

ううう……。逃げ道がないよう。

「もしかして霜月……あの女の子なのか??」

「えっ――?」

……時が、止まった。

颯天くんの声だけが、やけにはっきりと聴こえる。

クラスメートの声や風の音は、もうわたしの耳には届かない。

「いつも一緒に遊んでた……はーちゃん?」

嘘……。覚えててくれたの?

「…………うん、そうだよ。久しぶり――そーくん」

思い出した。

四つ葉のクローバーの約束をした相手の男の子の名前は、そーくん。そーくんだ。

わたしたちは、お互いにそーくん、はーちゃんと呼びあっていた。

「ほんとに……はーちゃんなのか??」

颯天くんが目を見張る。

約束通り、また会えた。いや――会いに帰ってきてくれたんだ。

「やっぱり運命だ……」

ぽつり。わたしがか細い声で漏らした。

それが颯天くんに聞こえたのかはわからない。



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