風が吹き抜け、新緑の季節。
5月だ。もう付き合って1ヵ月。2人は、川の土手にいた。
「ねぇ…高橋くんって、悩みあるの?」
「悩み…?」
愛理は、みーくんの腕を指差した。
「痣ができてる…。家で何かあった?」
みーくんは笑って言い返した。
「違うよ、これは転んで…。」
ウソはバレバレだった。
「私に…話してみてもいいんじゃない?」
「…。」
「私は、高橋くんの悩みを、解決したいって、思ってるんだけどな。」
みーくんは、誰にも言わなかったことを、愛理に話した。
愛理ならば、信じることができた…。
はずだった。