次第に男の周りに風が集まっていく。
普通ならばこんなことはあり得ない。
それは戒が望んだ普通ではない何かであった。
男に集まっていく風はどんどん強くなっていく。
気が付けば男の前には光の玉ができていた。
キィィィンッ!!!
大きな音とともに光の玉がまばゆい光を放ち戒は目が眩んだ。
戒が目を開くと男が息を切らしながら座り込んでいた。
「はぁ、はぁ、やっぱり疲れるな、これは。」
そういいながらも男はゆっくりと呼吸を整えていく。
「現段階ではこんなものか。でも、あっただろ。魔法は。」
男は得意気な顔でそういった。
実際男がしたことはただまぶしい光を放っただけ。
しかし、それは確かに魔法と呼べるものであった。
戒の嫌がっていたありきたり日常を破壊するには十分なものである。
戒は期待した。
自分を待っていた男が魔法を説明して使う、これはおそらく…