どれ位そうしていただろうか。 「あれ、先客がいる。」 誰もいないはずなのに、突然前方から声が聞こえて、私は驚いた。急いで身を起こす。鎖がたわむ。前を向くと、正面にある公園の間に、男の子が一人。 「いつもは誰もいないんだけど。」 それは、嫌がっている風ではなく、寧ろ喜んでいるように聞こえた。 彼は、私に近づいてきて、ブランコを囲む柵の入り口まで来て、こう言った。 「僕は、恭祐。君は、誰?」 「私は、亜須加。」 それが、キョウとの出会いだった。
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