聖人の家に行く途中も、
雪は、しんしんと降り続け、
特別な日の、この町並みを一層、クリスマス色に染め上げる。
聖人の家に行くのは今日で3回目。
去年の大みそかに、聖人のお父さんに会って以来。
聖人と付き合って1年以上たつケド、
よく考えてみると、あたし達って一緒にいるトキは、いつも外。
一緒に帰ったり、デートのトキに街を歩いたり。
聖人はサトル君とバイクで夜の街に繰り出すケド、
あたしが一緒に連れて行ってもらったのは、たった1度だけだし。
そういえば、新谷先輩と大沢先輩‥元気かなぁ。
―斉藤家―
つ‥着いたッッ☆
1階が大家さん宅で、2階が聖人の家なのよね。
ピンポーン。
2階の聖人を呼び出すべく、呼び鈴を鳴らす。
《はい。》
『あ‥奈央だけど。』
《おぅ。上がって来て。》
『うん♪』
インターホンごしの短い会話の後、
あたしは2階の聖人のお宅へ向かうべく、階段を上る。
なんかドキドキしてきた。
カチャッッ―ー‐
階段を上りきった所で、聖人はドアを開け、あたしを出迎えてくれた。
『入れよ。』
『うん/////』
はあぁ。
聖人の家に来たのは初めてじゃないのに、
何でこんなに緊張するんだろう。
『あ。聖人これ。
オードブル作ってきたんだケド、ちょっとたくさん作り過ぎちゃって☆
おっ‥お父さんにも食べてもらえたらいいかなって☆』
うわぁ〜。
何どもってんの、あたしってば!!
舞い上がり過ぎだよ〜〜!!
落ち着けッッ!!
『おっ♪すげぇ。うまそ。1個いただき♪パクッ。』
聖人は鷄の唐揚げを1個、口にほお張ると、満面の笑みをあたしに見せた。