銀座にやってきた。とあるブランドショップ。
「何がほしい?」
空にぃに言われたレイナは、
「ここからここまで、全部!」
いわゆる「大人買い」を、まだ高校生である空にぃに要求してきた。
「いいよ。」
「やった〜。」
よし…。とレイナは心の中で呟いた。
「じゃあ、金払っといて。」
家来Eに金を払わせ、別のブランドショップへ向かった。
「わぁ〜、かわいいバッグ。」
レイナの目に、空にぃも自然と笑顔になっていく。
「いいよ。今日は欲しいもの全部買ってあげる。」
「え、いいの?」
…しめしめ。とレイナは心の中で呟いた。
すると、ブランドショップのマネキン越しに、梓がいた。
目が合うと、中に入ってきた。
「ちょ…ちょっと何で…。」
レイナがあわてふためいていると、空にぃが心配した。
「どうした?」
「あっ…私の友達よ…。」
「梓です。レイナの友達です。」
「あっ…そうか。」
空にぃは笑ってお辞儀をした。
「あの…お話があるのですが…。」
「ごめんね、今デート中…。」
しかし梓は、
「この人あなたのこと…騙してますよ。」
「えっ…?」
言ってしまった。
レイナは、焦りを隠せなかった。