明日はバレンタインだ。
ご近所だし、毎年、カズにチョコをあげてた。
カズ君は甘いのが大好きだ。
「ユズさん。」
知らない声に呼び止められる。
「下校するところだろうと思いますが、ちょっとお話いいですか?」
朝の野球部の集団の一人だ。
「何?」
「明日、カジにチョコをあげて下さい。」
バカかこの人は?
「嫌だ。」
「お願い致します。」
野球部は頭をさげる。
えー、困るわ。
「嫌だ。」
「明日はカジの誕生日でもあるんだ。」
「関係ない。」
もう、帰ろう。
「あの…」
私はその人をシカトして帰った。