お金で買われた私は、快感を与え、笑顔を振る舞う。
夢を買った私は、ホストに心を癒される。
届かない恋はこの二つで耐えている。彼女(みゆ)の友達 として、彼(慎吾)と接する。
友情は崩せないから。
初めは、そう思っていた。彼に抱かれるまでは。
私は、彼からのアプローチに対し、友情よりも、素直な私の気持ちが勝っていた。
それは、友達(みゆ)と
彼(慎吾)が喧嘩していた時だった。
私は、彼の相談にのるつもりだった。私はみゆが浮気していたのを知っていた。でも、彼は知らなかった。
うすうす彼が気付き、問い詰めた所、喧嘩になったようだ。
もちろん、彼は、私に聞いてきた。
私は、ちょっと間を開け、
「私の知っている限りではしてないよ。」
と答えた。
間を開けたのは、半分、わざと。
どっかで、私のいった事を疑ってほしいと思った。
彼(慎吾)は疑っていた。
私が返事を返した後、慎吾は私の目をじっと疑いの目で見つめていた。
その、5秒後抱きつかれた。
慎吾の力じゃない、今までにない距離感、何だろう?
私はこの温もりに抵抗できなかった
ここは車の中だった。人気のない道端に車を止めていた。
助手席に座っていたシートが、バタンと倒された。
その時、私と、慎吾との顔の距離は、慎吾の顔の温度が伝わるぐらい近かった。