罪ノ詩〜ツミノウタ〜

わかにゃん 2011-05-14投稿
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第一章 トモダチ

2008年11月2日 松栄市岡井村の朝に、少女の声が轟いた。
「ひーかるー!」
「あ…梨桜、ったく、遅いぜ?」
「あはは…ゴメンゴメン。」
顔を真っ赤にして息切れを起こしている少女の名を春日部 梨桜という。見た目はポニーテールで背が低く、チアリーダーをやれば人気が出そうである。
もう1人の少女は三肩 輝といい、梨桜とは幼なじみである。
2人が揃って歩きはじめた時、後ろから運動靴が空を切って飛んできた。運動靴は2人の頭を間一髪で通り過ぎ、生えていた銀杏の木に激突した。
「あっちゃ〜、残念!外れちゃったかぁ。」
「昨日は確か、筆箱だったよね…?」
「飽きねぇな、いい加減諦めろよな。」
「ブーブー、私の辞書に諦めるなんて言葉は載ってないのだ!」
自らの脳内辞書の欠陥を話しながら運動靴を取りに行ったのは、井上 紗羅というホットパンツの良く似合うショートカットの少女である。土を払い落とした運動靴を拾い上げ、履き直す。
「んもー、1回ぐらい当たってくれてもいいじゃないの!」
「ほ・ざ・け!絶対避ける。私に運動靴を当てられるか?」
「にゃにぃ〜?この紗羅様の必殺スプラッシュ運動靴アタックを受けてみよぉ!」
「…学校行こうっと。」
争いはじめた2人を置いて、梨桜は学校へと足を向けたのであった。




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