「親が…死んじゃったのかもしれない。」
アキラの言葉に、シンイチは段々青ざめていった。
「ま…まさか…、この子の親は…。」
シンイチは、テレビの方を指差した。
「あ…。」
俺は、言葉を失った。
テレビに映っていたのは、親の遺体。
字幕には速報で、
『子供残して心中』と書かれていた。
心中という意味では分からなかったにしろ、親が死んだ悲しさが俺を襲った。
「わああああ!」
俺は、泣き叫んだ。
アキラは、俺を必死になだめてくれた。
「今日は、俺の家に泊めさせます。シンイチさん。警察に伝えてください…。」
そこから、地獄の始まりだった。
アキラの家には、過剰なまでのメディアが集い、相手にしきれないほどだった。
俺は、将来父親になるアキラが毎朝報道陣の網を潜り抜けていくのを、窓から見ていた。
でもやがて、ほとぼりは冷めて、アキラはノリコと結婚して、俺の養子手続きも行い、弟のユウダイも出来た。
アキラは、…とゆうか父ちゃんは、ひとりになった俺を救ってくれた人。
…涙が…溢れてくる。