地下の駐車場であろう場所に車はたどり着いた。
池見は車から降りて歩き出す、戒はそれに付いていった。
エレベーターで一番下に降りて、戒達は半径100メートルほどの大きなドーム状の場所に着いた。
内装は全て白色。
なかなか異様な光景であった。
数メートルさきから眼鏡わかけて痩せ細った白衣の男が近づいてくる。
歳は池見と同じくらい。
ただ以下にも研究者といった貧相な男であった。
「池見くん。お使いご苦労様。お、彼が戒くんかい?」
白衣の男はそういって戒のほうを向いた。
「こんにちは。戒くん。僕がこの研究所の所長、住城武蔵(すぬぎ むさし)です。よろしく」
−こんな貧相な男が武蔵?マジで似合わねぇ…−
戒はそう思いながらも、
「よろしくお願いします。」
っと、所長と握手をした。
その時ポンッと戒は後ろから肩に手を置かれた。
「ん〜、戒くん。何故お兄さんにはため口なのに、所長には敬語なのかな〜?」
池見の手はわなわな震えていた。
「いや〜、だって所長さん偉い人そうだし、目上の人には敬語だろ?」
戒はさらりと答えた。
「いやいや、お兄さんだってここじゃ偉いのよ〜。目上だよ?」
「所長さん魔法の特訓ってどうやればいいんですか?」
戒は池見を無視して話を進めた。
「魔法は集中力によって左右されるからね。まずはイメトレからかな。」
所長も池見を無視した。
「ふっ。お兄さんはあくまで無視か。それなら少し休ませてもらうかな。帰るときには呼んでくれ。」
池見はそういってエレベーターでどこかへいった。