波がザアザアと音をたてて、海岸まで波がやってくる。啓吾達を後ろ姿で見送った李那はその場から、一歩前に出た。
「あーぁ。逃げられちゃった。全員殺せって命令だったのに」
と、キリヤはため息をついて言う。すると、李那はニッと笑って言った。
「おにーさん。カッコいいけど、ココから先には行かせないよ」
すると、キリヤはフッと鼻で笑った。
「!」
李那は、足元の異変に気づき下を見る。すると、李那の足は膝まで砂に埋もれていたのだ。
「くっ・・・」
いくら足を引っ張ってもその砂からは足は解放されなかった。そして、李那はキリヤを睨む。
「そんな怖い顔すんなよ。俺の能力なんだからしょうがないだろ?」
「能・・・力・・・」
「俺の能力は、砂を操れる。だから、手始めに御前の足を動かせなくした・・・」
ヒュンッ・・・
「!」
キリヤは前方から飛んでくる弓矢を間一髪で避けた。そのせいで、気がゆるみ李那の足を捕らえ続けていた砂が引いた。
「不意打ちとは・・・卑怯じゃない?」
「おにーさんも。でしょ?」
李那は、起爆弾を付けた弓矢3本を構えて勢いよくはなった。そして、それはキリヤに命中し、辺りには煙が舞う。
「やった・・・」
李那は、煙が舞っている方を見て呟いた。
そして、次第に煙が消えてゆく。そしてキリヤの姿が見え始めた。