「まさか…嫌いになったの?アキのことが。」
カズヒロは思わず「えっ?」と返した。
「耳が聞こえないからって、アキを見捨てたの?」
「そういうわけじゃ…。」
「あなたも結局そういう人…。アキがこれまでどんなに苦しかったか。アキがどれだけあなたが好きだったか、知らなかったのね。」
「…違います、話を聞いてください!」
「結構です!私はアキを探すから、あなたは指でもくわえて見てなさいよ!」
アツコは、アキを探しに行ってしまった。
カズヒロは泣き崩れた。
何で俺は…こんなふうに言われなくてはならないのだ。
すると、カズヒロの携帯に、1通のメールが。
『東京の銀座のキャバクラ○○…』
メールは途中で切れて送られてきたので、相当アキは緊迫した中メールしたのだろう。
「銀座…。」
カズヒロは、持ち金を確認した。
「千円じゃなあ…。」
カズヒロはひとまず、家へ帰った。
メールが途中で切れてる…。
酷いことされているのか…。
助けられるのは、俺だ。
その頃アキは、メールをしていた事がばれて、ユミに怒鳴られていた。
「次そういう事したら、酷いことしちゃう。訳してタクヤ」
タクヤは手話でアキに伝えた。
『…わ…分かりました。』