「私と……付き合って」
俺は耳を疑った。ぽかんとする俺に目の前の少女はムッとしたように言った。
「聞こえなかった?私と付き合いなさい」
待て待て。落ち着け俺よ。
数分前に俺は目の前の少女、柏田 愛兎(Kasiwada Aito)に体育館裏に来いとか言われたからもしかしたらとは思ったが……
だって愛兎とはまだ出会って間もないワケだしつか入学三日目で告白するか普通?
「聞ーこーえーなーいーのー?」
「き……聞こえてる聞こえてる!いやその……」
「イエスかノーで答えるだけの簡単な質問にも答えられないのアンタは?」
頬を膨らませてちびっこい少女は腰に手を当てて言う。
「俺は……構わないけど……」
何で俺に?と言おうとしたところで、愛兎に遮られた。
「おっけーおっけー。決まりね。……ふふっ。よろしく」
そう言うと愛兎は走り去っていった。
これは喜ぶべきなのだろうか。つい一時間前までリア充爆ぜろとか叫んでた俺がその憎むべき存在になってよいのだろうか。
……考えるまでもねえよな。
この時から俺の人生は変わった。