〜プロローグ〜
退屈な日々が
一番幸せだった
ってことに気づくのには
充分な出来事だった
〜第一話〜
秋雨前線の影響で
空は鈍よりした雲に覆われていた。
比較的空いている電車に揺られ
学校までの道のりを行く
“目立たないように過ごしなさい”
度なしのメガネをかけたりして、
一応は目立たないように気を付けてみても
彼の発するオーラは
そう簡単には
隠せないらしい
女優というものを職業にしている母と
カメラマンで名をあげた父の間に
できたオレは
自分が思ってる以上に二人の良いところを
受け継いだらしい
しかし、母が結婚・出産したことが
仕事に支障が来ると
いうことで
隠し通して来たが
この間、週刊誌に掲載されてしまった
“結城南都子に年下の恋人！？”
丁度マンションに帰った時に撮られたらしき写真が掲載されていた
そのせいで
結城南都子の息子であるオレ、佐伯朝人は
全寮制の男子高に
転校を強いられた。
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