あの時の…
あの時の川霜くんの顔が忘れられないー…。
女子を睨み付けてた目が…
私はどこかの路地で止まっていた。
…怖い。もう学校に行きたくない。今、頭の中には『死ぬ』ことしか出てこないー…。
川霜くんは今は学校にいる…もう邪魔する人はどこにもいない。
これでもう楽になれる…
私は家に帰った。…カッターを持って…
親はいつも夜遅くに帰ってくる。
川霜くんが気づかせてくれたこの『気持ち』繋ぎ止めてくれたこの『命』今までありがとう…本当にありがとう。
でもね…でもね川霜くん
「みんなと仲良くしたいなんて私には叶わない夢だったんだよー…」
カッターを握りしめ手首に近づけた時…
ガラッ。お風呂のドアが開いた。
何で?親はまだ帰ってこないはず…でもその人は親ではなく…
「…ふざけんなよ」
そこには息を切らしている川霜くんがいた。
私がカッターを持っていることに気づいた川霜くんはカッターを浴槽に沈め私を押し倒したー…。