「とりあえず、向かいの通りの居酒屋で待ってるから」
「あんた、ばかじゃないの!!」
「はっ?」
「今の自分の状況をよ」
「ちょっとは、知られてるんだろうな」
デカ女は、ため息をついた。
「わかった。じゃ 8時には行くわ」
そういうとデカ女は、社長と打ち合わせに向かった。
俺は、一時間ほど早く居酒屋に入った。
「いらっしゃいませ!」
店員は、普通に席に案内した。
(やっぱ大丈夫じゃねぇか…)
「ご注文は…?」
「生と枝豆と焼き鳥盛合せで…」
俺は、デカ女に自分の意思を伝えられるだろうか??想いでなく、意思をだ…。
「す…(いませ・ん)」ビールのおかわりを注文しようと視線を挙げるとやたら、見られていた。軽く会釈したとたん…
女性陣が携帯を手に攻めてきた。
「あっ あの〜。え゛〜っ!」
もみくちゃだ…。
店員の声も耳に入らないみなさん。
店員に導かれ従業員口に案内され、速攻逃げた。
(プルルルル)
「どう??人気者さん」
「ちょっと、分かってたでしょ!」
「秦くんが、あまりに自覚ないようだったから」
「何処に行けばいいんだよ。」
「社長と行った飲み屋覚えてる?そこに行けば何も言わなくても案内してくれるわ」
やられた…。
こんな状況で話が出きるのか?!
いや!俺も男だ。
デカ女は、グラスビールを呑みながら手を振って笑っていた。
俺は、駆けつけ二杯ジョッキ生をたいらげた。
それには、デカ女も唖然としていた。
「なんかはなし??」
「俺、明後日からトルコだから…。」
「知ってるけど…。」
「あんたも、行けよ!アメリカ。」
「…。」
「俺は、あんたの部屋のRIONAの写真を見て、かっこいいと思ったし、胸が締め付けられるほど綺麗だった。俺は、この写真に並べてもひけのとらないモデルになろうと決心したんだ。
あんたは、俺の背中を押す。だけじゃなく、引っ張りあげる」
「怪力女扱い?」
「真面目にきけよ。
俺は、あんたがなんで泣くのか?時々物思いにふけるのか?考えた。
なぁー!そろそろ 進んでも良いんじゃないか?
止まっている想いを動かしてみろよ…。あんた、俺に言ったよな。最初に会った時、ビンタと一緒に逃げるなって!!」
「前に進んでくれよ。あんたが進まないと俺も進まないんだ」
「えっ?!」
「俺の心を進ませてくれ」
2日後、俺はトルコに経った。
デカ女も西に向かった。アメリカへ…
行ってしまった…。