『学校』ー…。
それはいじめるかいじめられに行く。このどちらかだ…
だって世界にはこの二つの道しか無いのだからー…。
今日は机が教室の隅に倒れてた…
黒板には大きく『市川 桃子は死んだ』そう書かれてた。
「なぁ!桃子は死んだんじゃ無いのか〜?」
男子が叫ぶ。
「違うよ〜アレは桃子が幽霊になって出てきたんだよ。
私達を呪う気ぃ〜?」
女子達も言う。
いつもなら黙って黒板の文字を消し、机を元に戻す。
でも…でも今は
昔の自分じゃない!!
「もう止めてっ!!私は幽霊なんかじゃない!死んでなんかない!
ちゃんと生きてる!ここには市川 桃子の存在がある!!」
川霜くんが「生きろ」って言ってくれた。
今なら自信を持って言えるよ…
「私は生きてみんなと仲良くしたい」
その時ピタリと時間が止まったかのように静かになった。
パチパチパチパチ!!
教室中に響く拍手…
川霜くんだ…
「俺も桃子と仲良くしたいよ?みんなは?」
ニカッと笑いそう言う。
「は?何いってんの?そんなの無理に決まって…」
「あっ…あの…」
少しオドオドと小声で言うその子はいつも大人しく成績優秀の優等生だ。
「わっ…私も市川さんと仲良くしたい…です!」
顔を真っ赤にして言う。
「何今さらいい子ぶってんの?アンタだってコイツがいじめられてるのをずっと見てたじゃん!アンタも加害者だろ!?」
「…そうだよ……
だからもう見てるだけじゃダメなの!」
「ふざけんなよ!
調子乗ってんじゃ…」
「私達も仲良くなりたい。もうこんなの見続けるなんて耐えられないよ…」
「…俺達も少し言い過ぎたかも…」
「市川さん今までごめんね?」
私はいつの間にか泣き出してた。
「ありがとう。もう大丈夫だよ」
次の日、私をたくさんいじめてた子達は謝ってきた。
今の私達のクラスはいじめがない仲がいいクラスと言われてる。
私はまた飽きずに屋上にいた。川霜くんも。
「よく勇気出したな」
「ありがとう。今はすごく楽しいよ」
「そうか。よかったな」
「…私はもう一人じゃないよね?」
「当たり前だろ?」
川霜くんは微笑みながらポンと私の頭に手を置く。たったそれだけなのにすごく嬉しくなる。
「川霜くんまだ手を頭の上に置いといて?」
「なんでだ?」
「だってなんかすごく嬉しいんだもん」
川霜くんの顔がみるみるうちに赤くなってく。
「なっ…それってこっ…告白か?俺のこと好きなのか?」
「えっ…なっ…何言って!川霜くんはどうなのよ!」
「俺は…桃子のこと好きだよ? 恋愛のほうで」
…へ?今なんて?
「かっ…川霜くんもう一回言って!」
「は?ふざけんな!もう言わねぇー!」
「…私も好きだよ!川霜くんがっ!」
そうか…この嬉しさの正体は………
「だからもう一回…」
川霜くんは私の耳に口を近づけ…
「好きだよ」
本当にこの世界にはいじめるかいじめられるかの二つの道しかないならもう一つ道を作ればいい。だから私は待つ。
今日と言う日が変わるその時までー…。