「――――っ?!」
ばっ、とわたしは身を起こした。
「今のは……夢?」
わたしは、今さっきまで見ていた夢の内容を思い出す。
――少女と少年が草原を駆け回っていた。
何だか、夢にしてはちょっとリアルだった。
果たしてあれは、ただの夢?
あの少女は――わたしの小さい頃にそっくりだった。
いっくんと呼ばれた少年は、四つ葉のクローバーの約束の男の子に、とてもよく似ていた。
「あれが……いっくん……」
いっくんこと郁とそーくんこと颯天。
どちらが約束を交わした男の子なんだろう……。
「まあ、深く考えてもわからないわけだし……だいたい明日、直接颯天くんに聞けばいい話じゃないっ」
ぐっ、とわたしは手に力を込めて立ち上がった。