桜 「隼人…くん…?」
隼人 「…」
鋭い目付きでこっちに近づいてくる…そしてものすごく近距離まで近づいてきた。
桜 「どっ…どうしたの?」
隼人 「…なんでさっき泣いてたんだ?」
…その話はしたくない
桜 「…目にゴミが入っただけだよ?」
隼人 「じゃあなんで逃げたんだ?」
桜 「早く家に帰らないと親に怒られるから…」
隼人 「だったらちゃんと俺の目を見て言えよ!!」
いきなり大声を出して私の体がびくついた。
隼人 「玄関には俺と桜の靴しかねぇーじゃん!!」
親は共働きでほとんど家に帰ってこない。
だから私は隼人に嘘をついたことになる…
隼人 「前に俺言ったろ?相談にのるって…そんなに俺じゃ頼りないか?」
桜 「ちっ…違うっ!!」
隼人 「じゃあなんで言ってくれないんだ?」
桜 「…言ったら絶対に隼人…呆れちゃうから…」
隼人 「いいから言ってみ?」
桜 「……やだった」
隼人 「なにが?」
桜 「留季ちゃんと隼人が話してるのが…」
隼人 「見てるだけで胸の奧に黒い霧が積もったように息苦しくなる…」
隼人 「…んなことかよ」
桜 「んなことかよ?ひどいっ!隼人にとって…隼人にとって私ってなに!?」…私何言って
隼人 「おいっ…」
桜 「もういい 留季ちゃんが作ったお弁当のほうが私のよりおいしいでしょうね!」
隼人 「何言ってんだよ」
桜 「ーーっ!あんたなんて大っ嫌い!!」
その瞬間、私は隼人に抱きしめられた。
桜 「えっ?」
なに?今私に何が起きてるの?
隼人 「…ごめん」
桜 「隼人?」
隼人 「本当に桜の唐揚げサンドうめぇーし。俺は…」
隼人は少しためらってる感じだった。
桜 「俺は…なに?」
決心したように大きく呼吸をした隼人。
隼人 「俺は桜しか見てない」
桜 「えっ…それってどういう…」
隼人 「他の女には興味ない。桜にしか興味が湧いてこない」
桜 「えっ…え?」
隼人 「俺が見てるのはいつも桜だけだ」
最後の一言は私の目を見て言った。
隼人の瞳には私が映っていたー…。
そして隼人の顔が近づいてくる。私は抵抗しなかった。
本当にこのままキスするんじゃないかと思ったとき…
突如玄関のドアが開いた
豪 「桜ぁ〜お前の好きな苺のシュークリーム買ってきたぜぇ〜」
私と隼人はすぐに離れた…
豪 「隼人…?」
ヤバい…バレた?