15.
情報局全てのパソコン、モニター画面に映し出された銀髪の男はこちらに不適な笑みを見せていた。
「やあ、リイバー諸君」
「クロガネっ……」
銀髪の男、クロガネの言葉にソウは鋭い目つきで画面を見、呟いた。
「そんな怖い顔しないでくれよ。リュウカなら生きてるよ」
「……リュウカさん?」
どうやらリュウカはあの男のところにいるらしい。
しかし、なぜ。
そしてソウはなぜそのことを教えてくれなかったのか、とレイはソウの背中を見ながら思った。
「リュウカはどこだ?!」
「はいはい。今見せてあげるよ……ほら」
画面がクロガネから牢屋の画面へと切り替わった。
それを見た瞬間、情報局内にいた者たちの顔色が変わった。
その牢屋の中には、血を流して倒れているリュウカの姿があった。
「リュウカさん?!」
「リュウカ!」
レイとソウはパソコンの画面をつかみ、画面を食い入るように見つめた。
「まだ生きてるよ」
画面はそのままに、クロガネの声だけが聞こえてくる。
「リュウカをどうするつもりだ?!」
「別にどうするわけでもないよ?」
「どういうことだ!」
ソウが声を荒げて言うと、画面は切り替わり再びクロガネが現れる。
「君たちは、リュウカを生かしといてもらいたいんだろ? それならこっちはそれなりの治療をする。でもそれには条件がある」
「条件?」
「そ。条件。それは……君たちがリュウカを連れ戻しに来ること」
「私たちは絶対にリュウカさんを助けに行くわ!」
レイが言うと、クロガネは満足そうな笑みを浮かべた。
「そう言ってくれると思っていたよ。場所はK1105地点にある古城だ。いつでも手厚く歓迎するよ。それじゃあね」
クロガネが言い終えると、モニターとパソコンの画面は元の通りに機能を始めた。
だがソウらは画面の前から動こうとせず、怒りを露わとした表情で画面を見つめていた。
そんな中一部始終黙っていたケイゴは、服の上から右腕の傷を抑えて立ち尽くしていた。