ディフェンド

 2011-07-10投稿
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15.


 情報局全てのパソコン、モニター画面に映し出された銀髪の男はこちらに不適な笑みを見せていた。


「やあ、リイバー諸君」

「クロガネっ……」


 銀髪の男、クロガネの言葉にソウは鋭い目つきで画面を見、呟いた。


「そんな怖い顔しないでくれよ。リュウカなら生きてるよ」

「……リュウカさん?」


 どうやらリュウカはあの男のところにいるらしい。


 しかし、なぜ。


 そしてソウはなぜそのことを教えてくれなかったのか、とレイはソウの背中を見ながら思った。


「リュウカはどこだ?!」

「はいはい。今見せてあげるよ……ほら」


 画面がクロガネから牢屋の画面へと切り替わった。


 それを見た瞬間、情報局内にいた者たちの顔色が変わった。


 その牢屋の中には、血を流して倒れているリュウカの姿があった。


「リュウカさん?!」

「リュウカ!」


 レイとソウはパソコンの画面をつかみ、画面を食い入るように見つめた。


「まだ生きてるよ」


 画面はそのままに、クロガネの声だけが聞こえてくる。


「リュウカをどうするつもりだ?!」

「別にどうするわけでもないよ?」

「どういうことだ!」


 ソウが声を荒げて言うと、画面は切り替わり再びクロガネが現れる。


「君たちは、リュウカを生かしといてもらいたいんだろ? それならこっちはそれなりの治療をする。でもそれには条件がある」

「条件?」

「そ。条件。それは……君たちがリュウカを連れ戻しに来ること」

「私たちは絶対にリュウカさんを助けに行くわ!」


 レイが言うと、クロガネは満足そうな笑みを浮かべた。


「そう言ってくれると思っていたよ。場所はK1105地点にある古城だ。いつでも手厚く歓迎するよ。それじゃあね」


 クロガネが言い終えると、モニターとパソコンの画面は元の通りに機能を始めた。


 だがソウらは画面の前から動こうとせず、怒りを露わとした表情で画面を見つめていた。


 そんな中一部始終黙っていたケイゴは、服の上から右腕の傷を抑えて立ち尽くしていた。


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