レクスを待っている間にリアは眠ってしまっていた。
リズの入れた睡眠薬のせいだろうか。リアには起きる気配が無かった。
レクスがリアの長い髪にそっと触れる。
その手が一瞬跳ねたかと思うと動きを止めた。
彼女の頬を一滴の涙が伝ったからだ。
髪から手を離すと涙を拭ってやる。
その手の温かさにか、ゆっくりとリアの瞼が開けられた。
「…ん……。」
「…起きた?」
「……!?」
リアは次の瞬間勢いよくレクスの手を弾いていた。
普段こういうことがないぶん余計に驚いた。
「あ……。えっと…ごめんなさい……。」
リアの戸惑った様子に苦笑を漏らしながらもレクスは応えてくれた。
「別にいいよ。こっちが先に驚かすようなことしたんだから。」
そこまで言うと笑顔が消える。
「何で泣いてたの?怖い夢でも見た?」
リアの顔から表\情が消えた。
リアの手にそっとレクス自身の手を添える。
そして話すように促した。
すると少し戸惑いながらもリアは口を開いたのだった。