日射しが少し和らぐ日もある8月の終わり…。
「あーっ!」
突然大声を出す男子高校生。
「…!」
後ろで大声を出された伸一が、持っていたレンタルビデオの袋を落としそうになった。
「伸一!そのDVD!」
「何だ、光樹か。脅かすなよ」
振り向きながら話す男子高校生。永見 伸一(ながみ しんいち) 都内にある高校の2年生。
「びっくりしたんはこっちやで…!」
暑い往来で騒いでる方の男子高校生は、中町 光樹(なかまち こうき) 伸一の悪友で、関西出身のお調子者だ。
「誰がお調子者やねん!」
「光樹誰と話してるの」
「…作者…。て、そんなんどうでもええねん!それよりも、そのDVD!」
「…ん?ああ、これ?」
「さっき、袋の透明の所からチラッと見えたけど…」
伸一が袋からDVDを出した。
「冒険者の最新作「夢幻の城」 だよ」
「やっぱり!今日レンタル開始で一番に見に行ったハズやのに、全部貸し出し中になっててん」
光樹がDVDを手にした
「これこれ、これやがな。シリーズ最新作…」
満面の笑みを浮かべる光樹。