桜 「お願いします魔法使いさん。私にドレスをください」
隼人 「…」
桜 「だぁーっ!!違うっ!!そこは『わかりました。ただし想い人に想いを告げなければあなたはパーティーに来なかったことになります』でしょ!!」
隼人 「…」
…ダメだ…こいつはダメだ…
委員長もそれを見て役者変更になった。
魔法使い…豪
委員長 「明日から衣装を着て練習をします」
桜 「豪、衣装だよ」
豪 「…真っ黒なマントだな…」
桜 「魔法使いは黒いマントだよっ」
豪 「桜のドレスは?」
桜 「今日の放課後完成だって」
放課後。
委員長 「五十嵐さんドレスが出来てるから一回着てみて」
桜 「うんっ」
私と委員長は被服室にいった。
被服室にはなぜか隼人と豪がいた…
桜 「なんで二人がいるの!?」
委員長 「こういうのは男子からの感想も必要だって本に書いてあったからだよっ」
…どんな本やねん!!
豪 「早く桜のドレス姿見てみてぇーな」
ニカッと笑いながら言う。
委員長 「てことで五十嵐さんは準備室のほうで着替えてきてね」
そう言われ準備室に入る。
私がドレスに着替えてるとこんな会話が聞こえてきた…
委員長 「あのドレスはかなり気合いいれて作ったから可愛い姿で出てくるよ。きっと」
豪 「メッチャ楽しみだなっ!隼人もそう思うだろ?」
隼人 「アイツが可愛いくなるなんてあり得ねぇーだろ」
あの野郎!!いつかギャフンって言わせてやる!!
私は着替え終わったので被服室に入る。
その時、一瞬…一瞬だけだけど時間が止まった気がしたー…。
桜 「…なっ…なんか変かな?」
委員長 「すごく…すごく可愛い!」
豪 「ヤベぇ…まぢ可愛い」豪の顔が真っ赤になっていく。
桜 「本当?よかった!」
豪 「隼人もそう思うだろ?」
隼人 「…」
隼人は何も言わないで私をずっと見ている…
桜 「…やっぱ似合わな」
私が全部言い終わる前に隼人が…
隼人 「可愛い…」
そう一言呟いた。
あまりにも意外な言葉に私は…
桜 「え?」
それしか言えなかった。隼人は自分で何を言ったのか気づいたらしく顔を真っ赤にさせて…
隼人 「いっ…今のは他の誰にも言ったことねぇーからなっ!!」
そう言い残して被服室を出ていった隼人。
その言葉は私にとって泣くほど嬉しかったー…。