「いつもいつも私は独りだった。
それでいいと、そうでなければいけないと、そう思ってた。
今でもそう思ってる。
独りでだって大丈夫。
母さんが出ていったのは私がいたから。
私さえいなければ……。
生まれてこなければ良かったのに……。」
リアの口から紡ぎ出されるのは哀しい言の葉。
そんな言葉にレクスは少し声をあらげた。
「自分を下げて生きていく……。
そんなのただの自己満足にすぎない。
そうやって自分を下げて生きていくの辛くない?
君はどうであれ見てるこっちが辛くなる。
君のお母さんまで哀しい人になっちゃうよ?」
「違う!!
本当は私だって……!
でも仕方ないことなの!
もうどうにもならないのよ!
使用人達ですら言ってるもの。
黒き神の子だ……。
悪魔の子だって……。
だから…」
不意に言葉を遮られた。
レクスに抱き寄せられる形になって。
その温もりに身体から力が抜け、つい涙が零れた。
(本当は私だって……。)
しばらくの間リアは心地よい温もりに身体を預けるのだった。