リアを囲んでいた針子達が少し離れた。
「とてもお綺麗です。」
「本当。こんなに美しい方を放っておく男なんていませんよ。」
リアは先程とは違うドレスを身に纏っていた。
色は前のよりも少し濃いピンク。
腰はそれよりも濃いピンクのリボンで締められていた。
肩は出されており、少し肌寒い。
首には三重にサイズの違うネックレスがかけられた。
一番大きく変わったところは化粧だろう。
大して手は加えられていないが、唇にはほんのり赤い口紅を、頬は先程よりも色付かせた。
「ふーん。なかなか可愛いね。」
突然耳元で聞こえた声にリアは固まった。
「まあ、レクス様!」
「どうです?リア様。とてもお美しいと思いますが。」
針子達が一斉にレクスに問いかける。
「うん。前のと衣装は大して変わってないけど、綺麗だと思うよ?」
「っ……!
そんなことさらっと言わないで下さい!!」
リアは堪らず叫んだ。
その言葉をどう受け取ったのか、レクスはリアを自分の方に向かせて言った。
「本当に綺麗だよ。このまま連れ去って俺だけのものにしたいくらい。」
リアはその言葉に頬を朱に染めながら下を向くのだった。