「ただいまー・・・」
麗久は買ってきた物を純弥のいる部屋に運んだ。
「純弥、ちゃんと寝てた?」
そう訊きながらドアを開けた。すぐ帰ってくるはずだったのにもう三十分も経っていた。
一番始めに目を付けたのは純弥のいるはずのベットだ。
(おぉ、寝てる、寝てる・・・)
そう思い、一歩踏み出した。
『ホー・・・』
「ひゃ??!」
なんと、驚いたことにフクロウ【フウ】がいるではないか。おかげで変な声が出た。
「・・・っんー・・・?リク?」
「あ、ゴメン・・・起こしちゃった・・・?」
麗久の声に反応して純弥が起きた。瞳が潤っているので少なからず寝ていたようだ。
「いや。・・・そこにいるフクロウ、僕の父さんのペットだから、ゲホッゲホッ、そっとしといて・・・」
「わかった・・・」
しかし、部屋の中にいるのは、はっきり言って迷惑なので外に出してもいいかと訊いた。
純弥は何も言わず、ただうなずいて窓を指した。麗久はそこからフウを外へ出した。麗久はその後純弥からフウのことを聞いた。
「ねぇ純弥・・・何か、冷たい物いらない?」
「何、それ?」
見たところまだ頬は赤いし声も怠そうに思えた。それに、風邪薬はその後でもいいと思った。
「ホントはのどに悪いから冷たい物は避けたいんだけど・・・・」
麗久はベットの上に買い物袋を乗せて、純弥に中身を見せた。
「・・・気が利くね、ありがたく、貰うよ・・・」
純弥はそう言ってゼリーに手を伸ばした。
麗久は純弥が食べている間に、お粥の入っていた食器とアイスを下へ運ぶことにした。
・・・・・・看病はまだまだ続く・・・・・・