それを言った後、サユは、「一晩、どうしたの?」
「野宿。金なかったし。」
サユは納得したようだ。
「でも、何事もなくて良かった…。お前もアキちゃんも。」
ユウタは心から安心してくれていた。
「カズヒロ。かなり疲れているんじゃ…。」
ヒロの心配は的中。
「めっちゃ疲れてるけど、もう1つ話すことが…。」
カズヒロは若干残念そうな顔をしながら、
「アキがろう学校に行く意志は強い。だから自然と春が来たら、俺とアキは…。」
「あ…やっぱり…覚悟はしていたけど、淋しい。」
サユの言葉に、みんな同感のようだ。
「カ…カズヒロ。とにかく休んで。詳しい話は今度聞くから。」
ヒロに促され、カズヒロは帰ることにした。
その頃アキは、部屋の中にこもって出てこなかった。
アツコ叔母さんは、私の事分かってない…。
「アキ。いつまで籠もってるの。」
アツコは、強引に中へ入ってきた。
『叔母さんは、カズヒロの事分かってない。』
「何を言ってるの。そんなドレスを着て、カズヒロくんとデートさせられたんでしょ?全てがカズヒロくんが悪いとしか思えない。」
『違う!』
「何が違うの?」
『カズヒロは…私を救ってくれた人…。』