(母親って・・・こんな感じなのかな・・・・?)
純弥はふと思った。言わなくてもやって欲しいことをやってくれて、近くにいると安心できる・・・母親とはこんな感じなのか、と考えた。
「はい、のど飴。さっきわたした風邪薬は飲んだよね?」
「・・・うん。」
麗久は自分と同じ髪の色で、写真こそ見たことなかったが、母親の感じがした。
「リク・・・」
「ん?何」
純弥は近くにあったいすを指した。ここに、近くに来てほしい。
麗久は純弥の指したいすに座った。
「そこに・・・いて」
(眠い・・・僕が、寝てる時だけでイイから、そこにいて・・・・)
純弥は麗久の手をとった。
「どーしたのさ・・・急に?」
「どうだって、いい、でしょ・・・?」
麗久の手はあったかくて、気持ちが良かった。麗久が身をかがめるとイイ香りがした。化粧っ気のないイイ香りだ。
(日本にも・・・・綺麗な、人いたんだね・・・)
まぶたが重くなったので自然と閉じた。
二度目に 愛した君には 赤いバラはあげないよ
どうか いつか君が 僕の気持ちに 気づくまで
君の中の僕は 人でいさせて下さい