〜第三話〜
「なぁ、いい加減、
眼鏡外して見せてくれよ」
朝人が転校してから
1ヶ月が経とうとしていた
事の発端は
大和に朝人の眼鏡に度がないことを
知られたことだった
そのときは軽く流したが
大和が必要以上に絡んでくるので
うんざりしていた。
「いい加減しろよ。
今、体育の授業中だろ」
バスケの試合の途中だった。
俺と大和は同じチームだったので次の試合まで待っていた。
「ちぇっ、けち」
ヒュッ
俺の顔の横を何かがとおりすぎた
「大和あぶない!」
隣にいた大和に向かってそれはとんできた
ガシャーン
「ボールが朝人の眼鏡破った...」
「誰のせいだと思ってるんだ!オレの眼鏡...」
「...カッコいい!やっぱり眼鏡ないほうがカッコいい」
「お前に言われても嬉しくない!
大和、大丈夫か?」
大和にボールが当たらないようにするために
朝人がかばったのだが
いっこうに動こうとしない
「まさか、お前...神崎」
何を言い出すんだこいつは!
「先生!ちょっと保健室行ってきます」
「お前神崎裕の息子か?」