私はどのくらいの時間泣いてただろう…
みんなは一旦家に帰って親に事情を話すらしい。私は隼人の病室305号室に行った。
隼人は…まだ眠っている…
早く隼人の声聞かせてよ…
そして今日は隼人は目を覚まさなかったー…。
次の日、私は向日葵を持って305号室に行った。
桜 「桜散っちゃったね。もうすぐ夏だよ」
向日葵を花瓶に入れた後私はそっと隼人の動かない手を握った。
桜 「夏休みになったらどこ行く?友美と太一くんはプール行くんだって!いいよね〜♪」
何を言っても無反応の隼人。
桜 「私、海行ってみたいな。隼人と二人…で…」
ポロポロ。目から雫が零れ落ちる。
桜 「あ…れ…おかしいな…楽しいこと考えてるはずなのに…なんで…涙が…」
涙は止まる気配を見せずどんどん溢れる…
桜 「ね…ごめんね…隼人…ごめんね…」
私の涙が隼人の頬をつたう…すると…
隼人 「さく…ら…」
桜 「隼…人? 聞こえる!?私だよっ!!」
隼人 「んで…泣いてんだ…」
桜 「ごめんなさい…本当にごめんなさい!!私のせいで隼人が…」
隼人 「あれは桜のせいじゃねぇーよ」
隼人は握っている手に少し力をこめ薄く微笑む。すると隼人はゆっくりだけど起き上がった。
桜 「もう起き上がって大丈夫なの?」
隼人 「あぁ。もう元気だ」…嘘つき…本当は痛くて痛くてたまらないくせに…
痛くて顔が少し歪んでるのがわかるよ…
隼人 「…んだよ。いてぇーだろ」
桜 「…」
隼人 「つーかお前重い…」
桜 「…」
私は無意識のうちに隼人を押し倒して馬乗りになっていた…
隼人 「…また泣いてるのか?」
桜 「うぅ…ふっ…ぐすっ…」
隼人 「あれ桜のせいじゃねぇーってば」
隼人はフッと小さく笑う。
桜 「んで笑えんの…私は隼人を殺したんだよ?加害者なんだよ!?」
隼人 「桜は加害者なんかじゃねぇ」
桜 「じゃあそれ以外なんて言えばいいの!?」
隼人 「救世主」
え?
隼人 「桜は救世主だよ」
桜 「隼人を殺したのに私が救世主?」
隼人 「桜と出会ったとき俺は生まれ変わったんだ…」
それは隼人の知られざる過去ー…。