その頃スヨンは、誰かと連絡をとっていた。
『お前…ゼガという少年には会えたか?』
「はい。あえました。」
スヨンは、今までに無い、凍り付いた表情をしている。
『任務を開始しろ。私もウ○コ山に向かう。』
「わかりました…。」
水面下で、物事は着実に進行していた。
スヨンの手が震えていた。
「私が…ゼガを…。」
この手で…殺す…。
「でも、恨まないでね。私の正体は悪…。闇に埋もれた悲しい人間よ…。」
スヨンの過去を、お話しましょう。
今から5年前、スヨン9歳。
スヨンは、ナギサタウンの鍛練場で、オノ使いとしての腕を磨いていた。
父と母、2人の厳しい訓練に、私は鍛えられた。
「スヨン。そんなんじゃオノ使いとして甘い!もっと素早く振るんだ!素早く!」
「はい、お父様!」
父親に逆らおうなんて、一度も思ったことはない。だって父親は、1番尊敬した人だったから…。
このオノは、母親から貰ったものだ。
「これは、殺すためのオノじゃない。自分を守る為のオノよ。」
こう言われ、貰った物なのに…。
ある日、私はいつものように鍛練場へ向かった。
すると、黒服の集団が…。
「スヨン…来るんじゃない!逃げろ!」
「お父様!」
「スヨン…こないで!逃げなさい!」
「お母様…。」
お父さん、お母さんが、縄で縛られ藻掻いていた。