クラスの話し合いが終わり、カズヒロとアキは2人、歩いていた。
「アキは、バレーだよな。」
『うん。サユの説得につい…。』
するとカズヒロは急に真剣な顔になった。
「クラスマッチ…絶対勝ってみせるから。」
『そうだね…。私も頑張る。』
いや…そうじゃないんだ…。って、言おうとしたが出来ない。
カズヒロの心がゆれる。
「クラスのためじゃない…。アキの、白愛高校1番の思い出となるために。」
『えっ…。』
なんか、切ない…。でも、うれしい…。
「見とけよ。」
カズヒロは少し照れていた。
『もちろん。』
そう言って、アキはカズヒロと別れた。
それからすぐ、携帯が鳴った。
サユからメールが来ていた。見てみると、
『ちょっとお茶しない?』
また女子会か。好きだなあサユも。
いつも通りの女子会だと、思っていた。
その推測は、甘かった。
駅前のファミレス。
「ごめん急に。」
『てか、いつも急じゃん。』
「…。」
今日のサユは、何かおかしい。アキは空気で感じた。
『ねぇサユ。クラスマッチの事、ありがと…。』
アキが話し掛けたとたん、サユは急にテーブルをたたいた。