RIO-1

メシア 2011-07-30投稿
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この間の学年末試験の順位表を見る。

大好きなあのこはいつも一位だ。

まぁ、いつもの事だ。

それが原因か?
ぶっちぎり一位の彼女はいじめられてる。
いつも理科室の隅っこで泣いてる。
今日も理科室に行ってみるか…


ガラッ。

ドアを開ける。


「あ、水城君。」

「よぅ。」

いつもは泣いてる。今日は笑ってる。珍しいな。

「今日はどうしたの?」

「いや、なんとなく来ただけ。紫音は?」

「んー私もなんとなく。」

にっこりと笑う笑顔が可愛らしい。彼女は何かを誤魔化している様だ。後ろに何か隠している。
「紫音、何か隠してる?」
「あら、どうして?」

「え、なんとなく。」

「今日はなんとなくが多い日だね。」

「そうだな。じゃなくて何か隠しているでしょ?」

「何も隠してないよ。」
紫音は俺から目を反らす。嘘なのが分かりやすい。

「じゃあ、何で手を隠してるの?」

「なんとなくだよ。」

なんとなくか…

「手ぇ見せろ。」

「はい。」

紫音は右手を出す小さくて綺麗な手だ。

「左は?」

「んーやだ。」

「何で?」

「なんとなくだよ。」

なんとなくが7回目。

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