「きれいだなぁ…」 日没が早くなった夏の終わり。空には無数の星が散りばめられている。夏休み最後の思い出に、僕は友達を連れてお婆ちゃんの家に遊びに来た。山に囲まれたお婆ちゃんの家は、僕らにとってまさに絶好の遊び場だった。都会では見られない虫や、野性の鹿やキツネが現れたり、木登りや川遊びなど滅多に出来ない遊びを僕らは思いきり楽しんだ。 その日は、かくれんぼをする事になった。ルールは「お婆ちゃん家の周りだけで隠れること」だけだった。森の奥に入り込んでしまうと村人ですら迷ってしまうような所だったので、どんな遊びをする時もそのルールは必須だった。だけど、その範囲でのかくれんぼは実につまらないものになってしまった。草村か木の陰、それか小さな納屋しか隠れ場所がなかったのだ。そんなわけで、鬼はすぐに見つける事ができ、鬼の交替のペースはとても早いものだった。そこで僕は考えた。