李将はワンピースを両手に持って、俺のところに来た。
「ねぇ、永輔君!右と左どっちがいい?」
「左」
李将は左のワンピースを見る。
「ピンクかぁ〜でも今日は青な気分だな♪右にしよう。」
何で俺に聞いたんだ。女って意味わからん。
李将は着替えて部屋から出てきた。
「じゃーん!ねぇ、どう?」
「ハイハイ、可愛いんじゃないですかぁ。今日は無駄にお洒落して、気合いをいれた髪型して、素敵な男の子とデートですかぁ。」
俺は適当に答えた。ま、李将が男とデートなんてあるわけないな。
「よくわかったね。」
はぁ!?李将が、あり得ね!
「誰とだよ?」
「え〜と、緑岡拓郎君だっけ?」
緑岡だと!?学年一かっこいい緑岡!?
「はぁ、いってら。」
なぜに緑岡?まさか付き合ってる?
「あ、鏡見てから行こう。」
李将は廊下に鞄を置いたまま自分の部屋に行った。
「やっぱり、李将は可愛いからなぁ!誘われちゃうんだね〜!」
将悟だ。
あれ?おかしい。
俺と李将が晩御飯の買い物に行っただけで
『李将と二人で買い物なんてずるいー!』
と大騒ぎした事がある将悟が李将のデートを認めている。
なにか企んで…
嫌、考えすぎか。